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    長編 連載中 R15
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    聖女をやめたい『伝説の聖女』 × キスで美青年に戻る『ぬいぐるみ姿の魔王』

    魔王は封印された。勇者パーティの一人、十六歳の聖女ルチルを巻き添えにして――……。

    ――それから百年。
    目覚めの時は唐突に訪れた。

    魔王の魔力をほぼほぼ吸い尽くし、ルチルは魔力つよつよとなって目覚めた。

    彼女の目の前には、フェルトで出来たぬいぐるみが。

    「おはようございます。あの時封印された魔王です」
    「……は?」

    魔力を吸われて無力化された魔王は、人形の姿になっていた。
    さらにぬいぐるみは彼女の手を取って続ける。

    「覚えていますか? 封印の直前、僕の顔面に蹴りを入れたことを?」
    「そ、そんな事もあったかもしんない……」
    「あの靴底に、僕は初めて人の愛を感じたんです!」
    「おかしいよ! お前はよ!!」

    ぬいぐるみ魔王は自ら彼女のしもべと成り下がり、魔力供給に口づけを求めてくる始末。

    一方百年後の世界では、ルチルはその身を挺して魔王を封印した高潔なる聖女として伝説になっていた。

    だが、育てられた宗教施設で虐待されたあげく自分の意に反して『聖女』にされたルチルは、『聖女』という清廉潔白な肩書き自体を嫌っていた。

    「もう聖女やめる! 『全ての人の幸せ』とか知らん! 自分が幸せになることを第一に考えます!」

    彼女は、今度は自分自身のために力を使おうと決意。
    伝説の聖女本人であることは隠し、魔女として森でハーブの栽培やポーション作りをしてのんびりひっそり第二の人生を歩み始める。

    だが、彼女の作ったポーションが領主の息子を救ったことで『奇跡のポーション』などとと呼ばれ出したり。

    素材集めに魔物退治に行けば、魔王から受け継いだ魔力で初級の攻撃魔法でも一撃必殺の威力だったり。

    やがて彼女は『境界の魔女』として意図せずその名を馳せていくようになる。

    ※サブタイトルにキャラクター名が入っているお話しは、ヒーロー視点・三人称です。
    文字数 36,451 | 最終更新日 2021.3.7 | 登録日 2021.1.31
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